資料を探しに本屋にいったところ、一冊の本に目が吸い寄せられました。
アーロン収容所

あ、『アーロン収容所』…!!
いや、それは戦時中にビルマかどっかにあった収容所の事を書いた、
ごくごく真面目なノンフィクションであり、決して
全国の恵まれないアーロン達を収容する場所の話ではなかったのですが…。
なんか色々考えてひいひい苦しんでしまいました…。という訳で、

『アーロン収容所』 ティーダの語りでお送りします。(バカ)

重い扉の向うに足を踏み入れると、そこには三つの檻があった。
うす暗い部屋のなかにうずくまっていた、たくさんのアーロン達が、
俺の姿を認めていっせいに鳴きはじめた。
まだ小さいのも、怪我をしてるのもいる。

『これ、みんな捨てられたんですか?』
係員に尋ねると、彼は首を振って答えた。
『みんな小さいうちは可愛いって買うんだけどさ、すぐデカくなるだろ?
引っ越しの時なんかに捨ててくのさ。ひでえ話だよな。』

ここに収容されたアーロン達は、二日ごとに隣の檻に移され、
一週間しても貰い手がつかなければ、奥の部屋に移され、安楽死させられる。
『やっぱ若くて可愛いのは貰い手があるけどねえ、でっかくなっちゃうと
まず無理だね。ほら、あの奥の部屋にいる奴とかね。』

視線を移すと、一番奥の部屋のすみっこに、とりわけ大きい、とりわけ渋い
アーロンがたたずんでいた。
暗い瞳が一瞬こちらを見たけれど、すぐにそらされた。傷だらけの顔。
ほこりまみれの身体、固そうなてのひら。


俺はその、一番渋いアーロンを引き取ることにした。

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